DAHON Route カスタマイズ #20 自分好みのギア比を手に入れよう


何となく気になっていた部分を交換するシリーズ。最後はスプロケットとチェーンリングです。

ナゼ、今ごろになってココに手を付けるのかと言いますと、どうも自分には今のギアが合っていないのではないか、と思い始めたからであります。

まず、トップ11Tを踏むことがほとんどありません。まあ平地のタイムトライアルレースでもあるまいし、そうそう重いギアばかり踏む人もいないでしょうが、やはりもう少しトップ側を削ったほうがいいのではないか、という気がしてなりませんでした。

常用域でギアのつながりが悪いのも気がかりです。クロースレシオのスプロケにすれば解決しそうですが、ロー側の軽さは現状並みを維持したいところです。

というわけで、これらの問題をどうにかすべく、三度ギア周りに手を加えることになったのであります。

チェーンリングの交換

まずはフロントのチェーンリングです。これまで使ってきたのはクランク付属の53T。小径車界隈では52~53Tという数字はごく一般的で、カスタムともなれば、56T、58Tは当たり前、 60Tを越えることも珍しくありません。

しかし今回はその流れに逆行しまして、チェーンリングの少歯数化を目指します。

最初は、歯とバッシュガードが一体になっているチェーンリング、これの47Tあたりにしようかと考えました。ミニベロのカスタムではわりと良く見る製品で、外側のガード面がツライチという作り。アウター側に取り付けても歯はインナー側に入るという特徴があるため、私のルート号には好都合です。

ですが、47Tではさすがに小さいか、と考え直し、さらにいろいろと検討していく中で、ちょっと気になるチェーンリングを見つけました。



それがこのLiteproのチェーンリングです。一見普通のチェーンリングと思いきや……



歯の形が、いわゆるナローワイドになっています。フロントシングルのルート号にはまさにうってつけ。

ナローワイド自体は昨今の流行でもあり、とくに珍しいものではないのですが、主流となっているのはPCD110、104、96あたりの規格。歯数も30T~46T程度と小さいものが中心で、 これまでなかなか試す機会がありませんでした。最近になってようやく、50Tを越えるような小径車向きのものが出揃ってきたようですね。

今回はラインナップ中、最小の50Tを選択しました。(2T刻みで最大58Tまであります)



ついでにチェーンもCN-HG93に交換します。

スプロケットの交換

続いてスプロケットの交換です。最初のボスフリーも含めると今度が4個目のスプロケ。これで決めたいと吟味して選んだのが、



こちら、シマノ CS-HG80-9です。11-12-13-14-16-18-21-24-28Tという組み合わせ。MTBグループのスプロケですね。



ロー側の3枚はアルミスパイダーを介して固定されており、裏から見るとちょっと高級な感じがします。重量は230gでした。



こちらをホイールに取り付けます。

ギア比の変化は?

さて、今回の交換でギア比はどう変わったのか。これまでルートで使ってきた4つのスプロケ、それぞれのギア比をグラフにしてみました。



いちばん上のグレーが前52T 後14-28T 6速。ルート(2013)標準装備のボスフリーです。一見して分かるとおり、ギアレンジが狭いですね。近場&街乗りメインならそう悪くもない構成なのですが、やはりトップには少々物足りなさを感じます。

続くオレンジが、ホイールと同時に交換した、前53T 後11-25T 9速カセットスプロケット。どの位置でも変速の切れが良い歯数構成でした。一方、最小比が2.12ということで上り坂は苦手です。

ロー側に余裕がほしいと再度交換したのが、3つ目のブルー、前53T 後11-30T 9速です。ロー30Tは狙いどおりなかなか効果的で、私でも坂が苦にならないスプロケでした。

が、最適解にたどり着いたと思ったのも束の間、常用域である真ん中からトップ寄りのギアで、どうもつながりが良くないと感じるようになりました。11-12-14-16と2T飛びなことが原因でしょうか。グラフで見ると確かにトップ寄りがスカスカです。同時に、私にはトップ11Tは不要なのではないか、という思いが強くなってきました。

しかし、9速でトップ12Tからのスプロケとなると、シマノでは12-23T、12-25T、12-27Tなどに限られ、これではローがキツかった頃に逆戻りです。

そこで導き出したのが一番下のグリーン、前50T 後11-28T 9速という組み合わせです。グラフをご覧いただくと分かるとおり、 軽いロー側のギア比を維持しつつ、トップ側だけうまく削ることに成功しています。しかもトップ9速から6速までの歯数構成が、11-12-13-14と1T飛びとなっています。

これでギア周りの不満も一挙解決?

結果は予想以上の好感触

というわけで、食料持参で試走にやってきました。



今回もおなじみ、いつもの早ゆでフジッリです。インスタントのソースと合わせて、おぅ、旨い!



でもって、肝心のギア周りについては……、これが予想以上に良い変化がありました。

まず、ギアのつながりがかなり良くなりました。トップ側で1T飛びになったことが効いてるようです。脚に伝わる変速のギャップも少なく、ギアに関してはストレスフリーな走行感でした。



トップのギア比が4.82から4.55になりましたが、11Tを使う機会が少ないのは相変わらずです。

しかし、ギアレンジ全体が詰まったおかげか、常用域の4~8速あたりがともて使いやすくなりました。これだけでも交換した甲斐があったというものです。



ナローワイドのチェーリングについては、普通の50Tのチェーンリングとしてみた場合、とても快調に機能しています。

ですが、その大きなセールスポイントであるチェーン落ちを抑制するという部分に関しては、なんとも判断が難しいところです。

そもそも私のルート号は変速動作には問題がなく、チェーン落ちに悩まされていたわけでもありません。そのため、それに対してどれほどの効果があるのか、ハッキリと白黒つけることができませんでした。ガタガタの未舗装路を走ってみればよいのでしょうが、そういう自転車でもないですからね、ルートは。

小径車でチェーンが落ちやすいのは、ハンガー下がりがマイナスである、ということがおもな原因だそうです。後ハブ軸から水平に伸ばした直線よりも上にBB軸が位置している状態のことですね。

これは小径車の構造上仕方のないことであり、ナローワイドだけでどうにかしようというのはちょっと無理な話かもしれません。ですが、フロントシングルの自転車であれば、取り入れて損のない製品ではあると思います。

例えば、本来はフロントダブルのアウター用で変速補助加工のあるチェーンリングを使っている場合、チェーン落ちのリスクは格段に高まります。そういうものと比べればずいぶん良いハズです。チェーンリングとチェーンがしっかり噛み合っているという感触が確かに伝わってきます

普段はチェーン落ちの症状がない小径車でも、段差を越えたタイミングで落ちるといったことはしばしば起こりうることですからね。

ともあれ、ギア周りはこれで文句なしです! 少々遠回りしましたがようやく納得いきました。おそらくもう変えることはないでしょう。……たぶん?

2 件のコメント :

  1. ナローワイド知りませんでした。一度ダブルのアウターに使っていたチェーンリング(まさに)をつけた時、通勤で歩道に乗り上げた時にチェーンが外れてしまい、手が真っ黒になったので、BBから変速機をつけるアダプター買ってチェーン押さえにして見ましたが当日加工知識が無くいまいちでしたので標準に戻した経緯があります。次の機会に参考にさせていただきます。

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    1. mobazouさん、こんばんは!
      やはり段差などではチェーンが落ちることがありますよね。
      通勤途中では大変でしたね。
      ナローワイドは段差越えなどのショックに対しても役に立つのではないかと思います。
      スタビライザー機能付きのRDと組み合わせて使うとなお良いようですよ。

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