BBクランク周り DAHON Route 自転車整備

緊急特別企画「BB右ワンが外れない？！」① 予兆編

ぽんたでございます。
「ルートを買ったら最初にやるべき6つのこと。その5」として、ボトムブラケット部の分解と調整およびグリスアップをお伝えする予定でした、が！

右ワンが外れません。
わりと本気で。

しかしまあこれは想定の範囲内。各部が親の仇のように馬鹿締めされている状況は、安価な自転車においては珍しいことではありません。なので、フフンとばかりに余裕で作業を開始したのでした。知らぬが仏。

まずはクランクを外します。ソケットレンチ等を使ってクランク固定ボルトを外したら、シマノのTL-FC10のねじ部に薄くグリスを塗り、おもむろに穴へとねじ込みます。

TL-FC10の中心部を同じように奥に回していくと、クランクが手前に押し出されてきました。（モンキーの使い方が逆でした）

同様に左側のクランクも外します。

次いでBBの取り外しにかかりますが、その前に確認のためBB軸を指で回してみると、ゴリッ！ゴッゴッゴリッ！と凄まじい抵抗が伝わってきます。これは酷い……。

気を取り直して左ロックリングと左ワンを外します。ここは正ねじなので左回しです。

工具はパークツールのHCW-5を使いました。専用工具がない場合でも、汎用のフックレンチや、貫通ドライバー、タガネ等で小突いてやれば回ります。（ただし部品が傷むかも）

少し手こずりましたが無事ロックリングが外れました。さらに左ワンを取り出そうとすると……ナンダコレ？ 初めて見ましたこの形状。（安価なママチャリ等のBBによくあるタイプのようです）

こんな形に合う工具などもちろん持っていません。しかしここは落ち着いて対処します。このタイプの左ワンはロックリングで固定されているだけなので、そのロックリングを外してしまえばあとは手でも回せるハズ。きっかけが必要なだけです。

ということでタガネとハンマーで軽く左方向に小突いてみると、ツツッと動いて手で取り外すことが出来ました。

よしよし順調順調。

外した左ワンとBB軸をあらためて見てみると、くっきりと当たりが付いています。しかし通常付く玉当たりのスジとはちょっと様子が違うような……。

黒いものは防錆塗料か何かでしょうか、それが玉当たり面を含む軸全体に厚く塗布されており、その上をベアリング球が回転したことで塗料部分が削げ落ち、通り道が凹になっています。

メーカーはもちろん承知の上なのでしょう。出荷時に玉当たりが超ゴリゴリなのはこれを見越してのことで、最初からピッタリ調整しては逆にガタが生じてしまうような代物なのかもしれませんね。

そういったメーカー側の思惑を勝手に汲み取るならば、このまましばらく乗り続けてみるのも方法のひとつではあります。ある程度走行距離を重ねて当たりが付けば、回転もそれなりにスムーズになるのだろうとは思います。

安価な自転車のBB交換については意見の分かれるところで、早いうちにマトモなものに換えたほうがいいという人もいれば、交換したところで大した効果は見込めないという人もいます。

個人的には、回転の良し悪しだけでなく、ほぼメンテナンスフリーになるという点からしても、カートリッジ式BB等に換えたほうがいいと思っています。クランクを交換する場合などは、その絶好のタイミングですね。

ともあれ、今回は取り外してしまうことにします。

残るは反対側、右ワンです。工具はパークの右ワン回しHCW-4を使用。通常右ワンは逆ネジ、時計回りで緩みます。

ぐぐ

動きません。まあ予想通りです。

ぐぐぐぐっと

結構固いですね。やはり右ワンは鬼締めされてることが多いですね。

むうんっ！

……。

なるほど。まあ方法はいくらでもあります。

と、このときはその後の困難を知る由もないぽんたでありました。

>>つづく