重量配分の計測をはじめる前に、ひとつ明らかにしたい疑惑がありまして、そちらのほうを先に確認しておこうと思います。
その疑惑とは……ルートのシート角は他モデルと比べて寝ているっぽい? というものです。
まずは上の画像をご覧ください。アキボウ公式WEBサイトの画像を重ねたものです。レイヤーの最背面から前面に向かって順番に、Mu P9、Visc.P20、Boardwalk D7、Horizeと重ねています。画像はシートチューブ下端(赤丸)を基準に合わせました。
緑丸で囲った「シート角」と「ヘッド角」に注目すると、各モデルともほぼ同じ角度であることがわかります。
スタジオでWEBやカタログ用の商品撮影をする際に、各モデルの位置などに多少のズレが生じることも当然考えられ、公式画像を重ねることが必ずしも正確な比較とはなりませんが、画像内のズレは誤差の範囲と言って差し支えないと思います。
ヘッドチューブ角に関しては数字の裏付けもあり、Dahon.comに行ってGeometryの項目を参照すると、大半のモデルでヘッド角が73°と同一でした。
Dahon.comには、残念ながらシート角の記載はなく、どこかほかに具体的な情報はないかと検索した結果、2つの計測値を見つけることができました。ひとつはObiWan(Visc.)のシート角が75°という記述。もうひとつがSpeed P8のシート角は約75°というものです。
これらのことを踏まえたうえで、次の画像をご覧ください。先ほどのレイヤー画像の最背面にRouteの画像を挿し込んでみました。
ひとつだけ後ろに傾いているシートポストがあります。それがRouteのシートポストです。ここまで明らかに突出して角度が違うと、さすがに撮影時の誤差では済まないように思えます。
ならば実物で確認してみようということで、スラントルールとスマホアプリを使って、DAHON Routeのシート角を測ってみました。比較対象として、同じくDAHONフレームである、ラインセンス車のYeahも用意しました。
まずはアナログのスラントルールで計測。目盛りが読みづらくて申し訳ないのですが、Yeahは75°、Routeは74°あたりを指しています。
続いてRouteのシート角をスマホアプリで計測。表示された数値は74.0°でした。(計測前に精度のキャリブレーションを行っています) デジタルのセンサーが敏感で、 少し動かしただけで±0.1°程度変わってしまうのですが、それでもだいたい74°前後を行き来していました。
このアナログとデジタル双方の計測値からすると、Routeのシート角は74°と見ていいと思います。少なくとも、同じ条件で計測したYeahより、Routeのシート角が寝ていることは間違いありません。
たかだか1°の違いじゃないかって? 侮るなかれ、根っこの違いはわずかでも、サドルまで来れば大きな差が生まれます。
また、ここで言うシート角75°や74°というのは、あくまで「見かけ上のシート角」の話し。DAHONはBBが前方にオフセットしていますので、「実効シート角」はこれよりずっと寝ています。実効シート角に沿って木の棒をあてがって計測したところ、実際の有効シート角は71.0°~71.5°程度でした。
シート角は一般に73°~75°程度のものが多く、ランドナーなどでは72°のものもあるそうですが、あれはその角度を前提に設計されている自転車です。
かたやRouteのような折りたたみ小径車は、実効シート角が寝ているわりに、リアセンター長にはこれといった工夫がなく、重量配分がかなり後方に偏っています。
このことがステアリングにも影響しているのではないか?というのが、改造前のひとつの推測だったのです。それゆえに、ステムの追加だけにとどまらず、重心を前に移すことにも腐心していたのでした。
ぽんたさん
返信削除はじめまして
実は3年前から楽しく、又有用に読ませていただいてます。
とても参考になりました
ぽんたさんと同じルート2013モデルをいじってます
やはりホイールを手組しようかと思案中です
シマノボスフリー7速、ラピッドファィアシフターですが、ルートはカスタムの楽しみを教えてくれました
痴呆公務員
痴呆公務員さん、こんばんは!
削除コメントありがとうございます。
同じルート乗り、しかも2013年モデルですか!
リアのOLDが126mm時代のルートは、
いろいろ工夫が必要なところもあって、いじり甲斐がありますよね。
ホイールなどはその最たるものかと思います。
どうぞぜひ手組に挑戦してみてください!
愛着がより一層深まること間違いなしです。
ただ、禁断の扉とでもいいましょうか、ホイールを換えると、
他の部分も次から次へと換えたくなる誘惑に駆られますので、
その点だけは覚悟のほどを(笑)
ぽんたさん、こんばんは。
返信削除シート角の違い、自分のRouteとMariner D7(Amazonで展示品処分30000円!)を乗り比べたときの違和感の正体はこれでしょうかね。
同じようなクラスのdahonの折りたたみアルミフレームの20インチで、何が違うんだろうと不思議に思っていましたが、一つ謎が解けた気分です。
ここからは自分の自転車報告ですが、現在小径車はRouteとMarinerの2台体制。
同じような自転車を差別化するため、
Routeはフラットハンドル(HPC利用)に戻し、クイックリリース化したノーマルホイールとパナレーサーのパセラ(20×1.5)で街乗り仕様に。
Marinerはブルホーンハンドルに交換して、Comp For P8ホイールとSchwalbe DURANO(20×1.10)でツーリング仕様にしております。
さらなる差別化のためMarinerのを451化を計画中ですが、ホイールを組めるぽんたさんが羨ましい(笑)
ガンマさん、こんばんは!
削除ルートのシート角はホントよくわかりませんね。
他モデルより寝ていることは確かなようですが、
わざわざそのようにする理由がないような……。
謎です。
>同じような自転車を差別化するため
やはりそうなりますよね~。
これはそのうち記事にしようと思っていたのですが、
実は私も固定ローラー台専用マシンであるYeah号を、
買い物マシンとして使うべくシングルスピード化しております。
>Marinerのを451化を計画中
いいですね!
451化すれば用途も性格もハッキリ分かれて
RouteとMarinerそれぞれの個性をより楽しめるようになりそうですね。
ホイールはぜひ手組に挑戦してみてください!
ド素人の私が言うのもなんですが、初めのチャレンジでも、
わりと難なく組むことができるのではないかと思います。
あるいは、中国サイトから買うことに抵抗がなければ、
Aliexpressあたりで451ホイールを物色するのもいいかもしれません。
こうしてあれこれプランを練っているときがいちばん楽しいですね(笑)
ぽんたさん、返信どうもです。
削除プランを練るのはホントに楽しいですよね。
>シングルスピード化
記事、楽しみにしております。
>Aliexpress
少し覗いてみましたが、勇気が入りますね・・・いろんな意味で(笑)
ガンマさん、こんばんは!
削除私自身、Aliを何度か利用していますが、
幸いなことに、いまのところトラブルは経験していません。
事故でもない限り商品が届かないということはほとんどないようです。
ただ、手元に届くブツについては当たりハズレがあります。
以前ほどあからさまではなくなりましたが、
偽物系も相変わらず堂々と売られています。
小径車のパーツ類はわりと充実しており、
上手く見極めて買うことができればかなりお買い得なのは確かなので、
メインのクレカは使わずデビットカードなど最低限の自己防衛を準備して、
少額の小物から試してみると良いかもしれません。
こんにちは、ぽんたさん
返信削除メトロと比較してもルートのシート角の違いは際立っています。ルートを購入した当初、この違いにまず気付きました。
しかし当方は身長が高いこともあり、トップチューブが長くなることでルートの方がゆったり乗ることができます。それとは逆に身長の低い妻はトップチューブの短いメトロの方が都合が良いとのことでした。
また、メトロと比較して、ハンドルバーの幅はルートの方が長いことで当方的には安心があり、シートポストの長さも同様に長く、運転しやすく感じておりました。
ハンドルバーに関しては個人的な好みの問題なのかもしれませんが、シートポストの長さに関しては、脚の長さとシートポストの長さがミスマッチしていたようです。例えば、メトロだと6速では脚が辛くなるような緩い坂道でもルートだと6速に入れたまま走ることができ、ルートに乗る前までは自分の脚力の無さを悲しく思っておりました。
ちょっとしたサイズの差(?)のように思えるのですが、全然変わるものなのですね。
座敷犬さん、こんばんは!
削除なるほど、乗り手の身長によってもずいぶん違うのですね。たしかにルートのシート角だと高身長の方には都合が良さそうですね。バイクフライデーなど一部の高価な製品を除けば、大半の折りたたみ自転車はワンサイズですから、サイズ的に合う自転車にめぐり会うのもなかなかたいへんなことなのかも……。