いきなりですが、ルートの標準ホイールをクイック化できたらなぁと思ったこと、ありませんか?
できます。
標準ホイールに使われているものと同じ径、同じピッチの中空軸を買って入れ替えるだけ。QR(スキュワー)はダホン用をオクや海外通販で購入すればOK(技術があれば手持ちのものを加工するのも可)。とくに難しいことはありません。
でもこれ、やっている人をほとんど見かけませんよね。なんで?
ルートの標準ホイールに使われているのは、中国製の安価なママチャリ等でもお馴染み、インチ規格のハブ軸です。当然、ミリ規格であるシマノのハブ軸とは互換性がありません。シマノスモールパーツから中空軸を買って交換する、というようなことができないのです。
よって既存の玉押しを活かしてクイック化するには、インチ規格の中空軸を用意する必要がありますが、これがちょっと面倒なんですよね。
インチ径中空軸の入手方法
- 店頭で買う
インチ径の中空軸が他の一般的なスモールパーツと一緒に店頭に置かれていることは、まずないと思います。ただ、安価な完成車向けの中国・台湾製のハブではしばしばインチ径の中空軸が使われていることがあるため、補修用として店にあれば譲ってもらえるかもしれません。
- 部品取りで入手する
安価な中国・台湾製ハブを手に入れて軸だけ流用します。玉押しが虫食いだらけでゴリゴリの中古品だろうが関係なし。インチ径の中空軸を使っていることが条件です。しかし、これもそう都合よくは見つからないはず。
- ネットで購入する
インターネット経由でインチ規格の中空軸を購入します。メジャーなものとしてはWheels Manufacturingの製品に3/8"x26tpiの中空軸があります。海外ショップやメーカー直販サイトから買うことになるため、国際送料など含め、コストは高めです。
- さらに、そのものズバリの商品もあります。露天やタオバオなどの台湾・中国サイトで、DAHON改造用の中空軸セットが売られています。
「快拆軸心」「改裝」「DAHON」「大行」といったワードで検索すれば見つかります。商品の価格自体は安価です。
*追記:同等の商品がヤフオクに出品されている場合があるようです
これらの購入にあたって注意したいのが規格の確認。中国・台湾サイトの場合、DAHON改装用と銘打っていても、具体的な径やピッチは明記されていないことが多いので、代行経由であっても確認は取ったほうがいいでしょう。
相手方の確認だけでなく、自分側の確認も必要です。以前の記事(こちら)でも触れましたが、公式スペック表の記載と実物のサイズが違う場合があります。例えば私のルート(2013年モデル)は、公式スペック上は前ハブ軸が5/16"径となっていますが、実際には前ハブも、後ハブと同じ3/8"軸が使われています。
手元の自転車の現物規格、そして購入する商品の規格、このマッチングは必ずやっておきたいところです。
またDAHON特有の問題として前ハブの特殊なOLDがあります。例えばリア用の3/8"中空軸をカットして前ハブに使おうにも、軸の中央部分にねじが切られていないハブ軸の場合、玉押しを必要な分だけ内側に寄せられない可能性もあります。
どうでしょうか? いろいろ面倒クサッ!!! ですよね。
果たしてこの手間に見合うだけのメリットが標準ホイールのクイック化にあるかといえば……正直ない、と思います。
標準ホイールには見切りをつけて、クイック固定のホイールを新たに手に入れるほうがよほど効果的です。(金銭的には痛いですが)
それでもあえて標準ホイールのクイック化に挑戦するなら、中国・台湾からDAHON改造用の中空軸セットを購入するのが、もっとも確実で手間のかからない方法かもしれません。
*追記:日本のアマゾン(Amazon.co.jp)にて、 中国からの出品と思われる安価な中空軸セットが販売されているのを確認しました。 購入者のレビューによれば、インチ規格の中空軸だそうです。
そもそもクイック化は必要なのか
ルートの標準ホイールをクイック固定化するメリットは何かと考えると、実際のところほとんどないんですよね。重量面から見ると、ソリッド軸より中空軸のほうが軽量なのは確かですが、固定ナット2個とクイックレバー1本では前者のほうが軽い場合もあるので、トータルでは違いはわずかになります。
パンク修理時にはクイックのほうが間違いなく有利です。しかしそれとてそう頻繁に遭遇する事態ではありません。ナット固定式でも、げんこつスパナや板スパナ等をパンク修理セットと一緒に持てば十分対処可能です。
タイトルに「クイック化する方法」と書いておいて、最後にこう言うのもアレなのですが、結局のところ、標準ホイールはナット固定のままでいいじゃない! というのが率直な感想なのでした。
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